「川口市いじめを防止するためのまちづくり推進条例」(自民党提案)に対する日本共産党市議団の見解

「川口市いじめを防止するためのまちづくり推進条例」(自民党提案)に対する日本共産党市議団の見解

いじめを防止する施策をすすめるためには、何よりも子どもの生命と人権を守る立場から、子どもがいじめられずに安全に、安心して人間らしく生きられる学校・社会をつくることが急務です。
 教育は子ども一人ひとりの幸せ、成長と発達のためにあります。すべての子どもたちの「人格の完成」を目標に、子どもの個々の能力を豊かに伸ばせる教育をすすめなければなりません。
 子どもの声に耳を傾け、子どもが学校や地域の中で安心して過ごし、成長していける社会を築き上げていくことが、いじめのない社会をめざす私たちの責務です。

いじめ問題に対応する第三者機関の設置

 第3者機関としての機能を持つ「いじめから子どもを守る委員会」を設置し、教育部局の手を離れ、相談・調査・調整・勧告・是正を行うことが示されています。
 解決が困難な事案の場合、被害を受けている子どもの命を守ることを最優先に機能する機関となること、また、子どもの人権を守り、公平・中立を確保しつつ、迅速な対応と学校との調整や子どもとその保護者の知る権利が保障されるような対応の具体化が求められます。

学校への「いじめ対応教員」の配置

 「いじめ対応教員」を現状の教職員体制の中で学校長が指名。「いじめ」を発見したときの機敏で迅速な対応をはじめ、相談の窓口・情報収集・いじめ対応の中心として動きやすくなるよう明確化されますが、いじめは、担任はもちろん全教職員が情報を共有し、学校全体で対処することがより重要です。また、学校現場では、教職員の長時間勤務が課題となっており、子ども一人ひとりと向き合う時間が充分に確保できない状況です。
 いじめ対策を最優先に取り組むためにも、学校の教職員の増員等の改善をすすめ、子ども達への丁寧な対応で、問題を解決する力を子ども達自身が身につけることができる学校づくりが求められています。

子ども達に、間違え、失敗する権利を保障することが大事

 第3条(基本理念)の2項で、「子どもは、人との豊かな人間関係を築き、互いに相手を尊重するものとする。」と子ども自身の行動を強要・規制するものなっていることは問題です。
 私たちは、子どもに「間違ってはいけない」とは言いません。間違えたときに、どこが間違ったのかを学び、よりよい解決の方法を理解していくことで、子どもたちは成長していきます。子どもは失敗するということを前提に、失敗したときにどのように指導することが子どもの発達を促すのか、という教育観に欠けています。子どもの成長の過程からみて、子どもに上から規範意識を強要することに効果はなく、さらにいじめ対策として道徳での教えや、厳罰化につながる恐れがあります。
 大津市のいじめ自殺事件での第3者機関からも「道徳教育の限界について」指摘されています。
 いじめが生まれる背景には子どもの生きている環境から生じる様々な問題があります。いじめの背後にある問題や、いじめを生み出す問題について是正することが必要です。しかしこの条例では、いじめを子どもの個人の問題にしてしまい、いじめが社会のあり方と根深いところで繋がって解決を困難にしていることを曖昧にしてしまいます。